今日は、ちょっと仕事のことについて書いてみます。
僕は、1年前にとある受注産業のメーカー(分類上はその他製造)の営業から転職をしました。
理由はネガティブなものからポジティブなものまで様々ですが、主には他につけたいスキルがあり、やりたいことができたからです。
このことに嘘ないのですが、「逃げ」と言われたこともまた事実です。
そして、その側面がないかというと、決してそんなことはありません。
電通を叩いても問題は解決しない
昨今、「働き方の変革」が叫ばれて久しいですよね。
その急先鋒というか、世間から袋叩きにあっているのが電通さん。
残念な事件があったこともあるし、根も葉も無い噂によって叩かれているのもあります。
僕も、下について酷い目にあったことがあるし、同僚もまた酷い目にあっているのを見てきたので、別に彼らが叩かれていることそれ自体には同情すらしません。
ですが、「働き方を変える」「労働環境を改善する」という社会課題として捉えた時には、ちょっと冷静になる必要があると思っています。
受注産業の悲哀
そもそも、電通は広告代理店です。
僕がいた会社は電通の下につく事もあるし、競合する事もあるところでした。
いずれにしても言えることは、「受注産業」であること。
電通と違って、僕がいたところは未来なき斜陽産業でしたが。
つまり、両者には必ず「発注主」であるクライアントが存在します。
電通の残業が多く、ブラック化しているのは、発注主の体質が根本的な問題と言って、僕は差し支えないと思っています。
実際、僕もだいぶ振り回されたところがあります。
・夕方に呼び出されて明日のAMまでに持ってきて
・締め切りを平気で破るのに、納期はそのまま
など、彼らのいい加減な仕事の尻拭いをしたこと数えきれず。
もっと酷いのもあるけど、まあいいでしょう。
それでも、早く帰れと社内では言われるものの、こういう無茶苦茶な依頼を「断る」というのがやっぱり許される雰囲気では無い事もあって、誰から苦しむしかない。
「できないじゃない!どうしたらできるか考えろ!!」
何度言われたかわかりません。
「納期くれればできますよ」って何度思ったかもわかりません。
ですが、その度に各所に頭を下げ、なんとかしてきた経験は、確かに僕の力になっていると思いますが、正直ずっとは続けられないと思ってました。
ちなみに、この仕事は、より末端に行けば行くとほど、人が削られる構造になっています。
なので、受注産業への就職・転職はあまりおすすめしないのが僕の偽らざる本音です。
残業問題は解決しない
つまり、発注主の体質に対してもメスを入れない限り、受注産業勢の残業は減らないし、人は死に続けます。
断言します。
電通叩いても、問題の解決なんてしません。
もちろん、彼らの体質も改善の余地はあるのでしょうが、根っこはそこではないからです。
電通が仮に仕事を断れば、他に仕事が移り、そこの人が頑張るだけの話なのです。
これを本当に解決する日が来るとは、僕にはちょっと思えないのです。
自分ごととして考えてみる
とはいえ、これはすごく引いた目で見たときの話です。
視点をグッと近づけて、自分のこととして考えてみたときには、会社が悪い、クライアントが悪いと何かの責任にしていてもそれこそ何も解決はしません。
人生はちっともよくなりませんし、楽しくもなりません。
そもそも、その仕事を選んだのは自分である、という動かぬ事実もあるわけです。
だから、逃げるという選択肢も含めて、自分の責任において決める必要があるとも思います。
そして、そのことによって起きうることを自己責任に置いて受け止める。
その覚悟さえ、持てれば良いのだと思います。
今日の成長
どの視座に立つかによって、モノの見え方は変わる。なので、いろんな角度から考えたい。もちろん、外部の責任にばかりしていてもだめ。
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