先日、ツイッターを賑わせた話題がありました。
「転職は逃げ」というのがそれ。
きっかけはこのツイートで、ブラック企業に対して怒り新党な人のようだけど、実態はよくわからないし、興味もないのでそこは割愛。
日本型雇用が崩壊したのに、未だに労働者が転職という形で逃げ回って泣き寝入りをして闘わないから、労働組合の意義も役割も軽視されるのです。もう逃げ場などないのです。転職市場を見たらわかります。新卒一括採用メインなのだから、豊かな暮らしが可能な労働条件の求人は皆無に等しい。 https://t.co/7JcALYkrLD
— 藤田孝典 (@fujitatakanori) 2018年11月9日
個人的には結局何が言いたいのかよくわからないし、労働組合の意義も役割も軽視しているというか、知ったことではないし、それって労働者のせいなの?という気持ちなのだけど、それはとりあえず置いておきます。
今日論点にしたいのはそこではなくて、「転職はそもそも逃げなのか」というところだ。
私は転職を選んだ
まず、個人的た経験だが、僕はご多聞に漏れず「新卒一括採用」でとある大企業に就職をした口です。
BtoB企業としては有名どころだし、当然のように労働組合もありました。
だけど、激務薄給というのも有名な業態で、事実として、毎日AM3時だの4時だのに帰っているような時期もあったくらい。アピールとかではなく、ほんと、事実として。
今にして思えば、この働き方も個人のマネジメントでなんとかしようもあったかもしれないけれど、受注産業だったこともあって、夜の終電後に呼び出されれば行かざるを得なかったんだよねって思ってしまう。
言っちゃえば狂った環境だと思うし、ブラック企業を地で行くところだったんだろうなって思います。自分とこもだけど、クライアントも。
で、そんな会社で人事系3年、営業7年やって、僕は設立10年ほどの小さなコンサル会社に転職をすることにしました。
転職をした理由
理由は色々あるけど、コーチングをしっかりやる時間を作りたかったのと、業務そのもので活かしたかったことが大きかったけど、いい子ぶっても仕方ないので、正直に言います。
会社そのものに愛想が尽きたこともあったんですよね、実際のところ。
上記のエピソードもそうだけど、ちょっと色々おかしかったと思う。
・短時間勤務って言ってるママ社員が終電で毎日帰ってる
・働き方変革しろというわりに、仕組みが変わることはなく、全部「自分でやれ」
・中間管理職が毎日その上にキレられている。「どうすんだ?」だけで抜本的に変わる何かを授けられるわけでもない
・毎月人事異動みたいなことがあって、配置換えしたらうまくいくと思い込んでいる
って感じで、数字の目標が下がるわけでもなかったし、とにかく短期での成果が求められたので、結構大変ではありました。
できる人はできたし、できない人はできないような状況ではありましたね。
このような環境で、成果あげても年一回の昇給で月2000円アップとかで、上も詰まっているし、別に「この人みたいになりたい」って思う人もおらず、むしろ「自分こうなんの?」っていうことへの絶望の方が大きかったんです。
なので、僕は自分がどうありたいか、なりたいかを考えて、転職することにしました。
この人の言葉を借りれば、「会社と戦わずに逃げた」ということになります。
だけど、逃げて本当によかったと今思ってますよ。
逃げですが何か
「豊かな生活ができる労働条件」というのが、何を指すのかにもよりますが、この文脈だとおそらくは「賃金と労働時間」のことなんだと思います。
ただ、豊かな暮らしって果たしてそれだけなのか?と思うし、これはそうそう一般化できるものでもないでしょう。
大多数の低賃金労働者の為に言っているのだとは思いますけど。
キャリアアップの考え方もそれぞれで、僕は正直給料減ったんですけど、自分が得たいスキルとか、周囲のレベルとか考えると、これはキャリアアップだったなって思います。
外から見たら「いやいやwww」って思うのかもしれないけど、僕(と家族)の人生だし、周りがどう思うかは知ったことではないのです。
なので、逃げと言われても、「あなたがそう思うならそうかもね」くらいのものなんです。
つまり、「なんとでも言え」ということ。
逃げたらダメなの?
そもそも、逃げたらダメなんでしょう?
戦うことを選ぶのも、逃げるのも、その人の人生に照らして好きな方を選べば良くないですか。
転職という形で逃げ回って泣き寝入りをして闘わないから、労働組合の意義も役割も軽視される
と言いますが、いや、知らんし。
労働組合の意義や役割の認知向上の為に、なんで貴重な人生を捧げにゃならんのよと。それは労働組合が組合として頑張れ。
労働者に闘う義務はないでしょう。
それこそ、日本型雇用が崩壊したのだから、自分の責任において自分で選択して生きていけば良いと思う。
だいたい、グラついている家の中にいたら、逃げるでしょ?
「自分がここで闘わないとおおおおおお」とか、「また同じことが起こるんじゃ」とか言ってたら、ちょっと頭大丈夫ですか?って思いませんか?
逃げればいいじゃないか。
自分は常に省みること
ただ、なんでも会社とか環境のせいにするのも当然よくはなくて、自分の能力とか態度は常に省みていく必要はあると思いますよ。
スキルアップするにしても、どんな人生を作っていくにしても、そこは自分の責任においてやることなので。
会社があれしてくれないこれしてくれないと言う前に、自分はやることやっているか?という問いを持って、それに応えていかないと、家が壊れる!と勘違いはしてしまうと思います。
それは、不幸だと思います。
まとめ
というわけで、転職という形で逃げればいいし、逃げたからなんだよっていうのが僕の感想です。
ただ、この方の言っていることの全体像とか前後の文脈とかが今ひとつ掴みきれなかったので、一部を切り取っていると言われたら、それは否定できないです。
なので、あくまで個人的な感想、の域を出てません。議論する気もないです。
立場的に、多くの低賃金労働者向けに話しているっぽい感じもしているので、どの視座から見るかによっても意見は変わるでしょうしね。
とりあえず、「逃げなのかな…」とか不安に思っちゃう転職希望者がいた場合、「気にすることないから頑張れ」ということが言いたかっただけです。
おしまい
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