ブックレビュー:カモメのジョナサン完全版(ネタバレあり)

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最近インプットを変えるようにしていて、主には小説だけれども、選択するのは「長く読まれている作品」ということにしています。

これまで、文学作品は小難しくて理解できないという先入観があって敬遠してきました。

高校時代に夏目漱石の「こころ」の一部を読んだくらいで読まず嫌いに。

ただ、ここにきて、30も半ばになってこの手のda教養の一つもないのはやばくないか?という危機感と、言葉を扱う仕事に就いてから、長く読まれるには訳があるはず、という考えに至って、読むようになりました。

読了するにはやはり時間がかかるのですが、1作品ずつ、しっかり読んでいきたいと思っています。

さて、とはいえ、国文学以外にも読もうということで、先日はモンテクリスト伯を読んだわけですが、今回も外国シリーズ。

読んだのはカモメのジョナサンです。

 

有名といえば有名なので、知っている人も読んだことがある人も多いかもしれないですね。
以下、まずは要約から。
ネタばれありなので、読む予定の人はご遠慮くださいませ。

要約(ネタばれ)

第1部

カモメもジョナサン・リビングストンは、普通のカモメとは違い、ただ飛ぶことを研究し、低空飛行や急降下などの危険な飛び方を研究していた。
ジョナサンは食べることも忘れて飛行の研究に没頭していたため、骨と皮だけになるほどやせ細っていた。
母親にも注意されたジョナサンだったが、「ただ、自分に何ができて、何ができないのかを知りたいだけなんだ」と言って、飛行研究を止めることはなかった。
群れで活動するカモメにとって、ジョナサンは異端児だったため、ある日「評議会」に呼び出される。
そこで、「カモメは餌をとり、長生きをするために飛ぶのだ」と諭されるが、ジョナサンは「生きることの意味や生活のもっと高い目的を発見してそれを行うことこそ、カモメの最も責任感のあつ態度だ」として譲らない。
自分の考えを分かってもらおうとするジョナサンだったが「同胞の絆は切れた」として、群れからの追放を言い渡される。
孤独となったジョナサンだったが、それでも飛行研究を続け、どんどんと高度な飛行を身に着けていく。
その過程で、「カモメの生涯が短いのは、退屈と恐怖と怒りのせいだ」ということを発見する。
その3つから解放されたジョナサンは素晴らしい生涯を送っていくのだった。
年月が経ち、より高次の飛行を身に着けたジョナサンのもとに、まばゆく輝く翼を持つ2羽のカモメが現れる。
彼らは、ジョナサンをもっと高次の世界に連れていくと話す。
直観的に、「彼らの言うことは正しい」と悟ったジョナサンは、2羽のカモメの導きで、より高次の世界に旅立っていくのだった。

第2部

高次の世界には、生活の中で最も重要なことは自分が一番やってみたいことを追求し、その完成の域に達することを目的とするカモメたちがいた。

そこでジョナサンは、「チャン」という長老カモメに出会い、「瞬間移動」を伝授されることになる。

厳しい練習の末、瞬間移動を会得したジョナサンは、高次の世界にとどまるのではなく、再び地上に降り、自分と同じ境遇や考えをもつカモメがいるのではないか、そんなカモメたちを救いたいと、一人地上に帰っていく。

第3部

地上に降り立ったジョナサンは、一番弟子のフレッチャーとともに、飛行技術の伝承に取り組んでいく。

彼を「悪魔」として嫌煙するカモメもいたが、徐々に仲間は増えていった。

群れから追放されたカモメたちは、「カモメの群れの掟」に囚われていたが、ジョナサンは、「自由はカモメの本性そのもの」と主張し、群れの掟など捨て去ってよいのだと弟子たちに説く。

数々の誤解や嘲りなどもあるなか、仲間を増やし、飛行法を伝授していった。

そして、ジョナサンは1番弟子のフレッチャーを「導き手」として教育し、彼の元を去っていった。

第4部

ジョナサンが去ってから、フレッチャーたちは生徒たちに飛行法を教え続け、しばらくは真に飛ぶことを求めるカモメたちの黄金時代が続いた。

しかし、徐々にジョナサンの「伝説」のみに狂気じみた目を向けられ始め、肝心の飛行訓練がおろそかになり始める。

そして、ついに「飛ぶこと」が忘れさられ、いつしか飛行訓練をする鳥は少なくなっていった。

ジョナサンから直接学んだ生徒も減り、最後にフレッチャーが旅立っていった。

その後、ますますジョナサンの神格化され、残してきた教えはすべて「聖なる言葉」という単純なものに落とされてしまい、日常の営みから遠ざかってしまった。

しかし、アンソニーというカモメは「ジョナサンは作り話だ」と言って、神格化されたジョナサンの言葉に疑問を持つ。

アンソニーは、自分の気づいた道を選択し、儀式や儀礼を拒み、自分と向き合っていく。

そんなある日、アンソニーは信じられない光景を目にする。

1羽のカモメが、飛んでもない飛行法で空を舞っているのだった。

驚いたアンソニーは見知らぬカモメに名前を尋ねる。
「ああ、ジョンとでも呼んでくれ。ジョナサンだ」

読後の感想

結論としては、想像力も掻き立てられるので、下手な自己啓発書を読むならこの本と7つの習慣だけ読んでおけばよいと思った。
カモメのジョナサンで描かれているのは、「限界を決めつけて惰性で生きること」への疑問と、挑戦することの尊さだと思う。
自分のやりたいことを押し隠し、世間の空気に合わせて生きていくことの「退屈さ」と自由のすばらしさをカモメの話になぞらえて、筆者が伝えたいのかなと。
言っていることは、よくある自己啓発書に書いてあることだけれど、小説ということもあって、すんなりと入ってきた。
ただ、この小説の素晴らしいところは、体験や行動を通して言語化されてきたことが、「宗教」になっていく過程も如実に描いているところだと思う。
本来、行動を伴わなければ、どんな名言もただの言葉に過ぎないということもよくわかる。
そうやって、言葉が形骸化していった名言たちもきっと多くて、それを残していった過去の偉人たちは、さぞ忸怩たる思いをしているだろうな…
なんてことも思ったりした。

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ABOUTこの記事をかいた人

TCS認定コーチ 某コンサル会社に勤務する傍ら、思考を言語化することで、夢や目標の発見から達成までをコーチングを用いて支援している。 自身も鍛錬をするべく、プリズナートレーニングを実践中。 趣味はロードバイク。2児の父でもある。